東京都板橋区に建つ地域防災拠点を兼ねた総合ケアセンター
旧小学校跡地の校庭部分に「特養棟」、校舎解体あと地に「通所棟」を配した計画で、特養棟と通所棟とは鉄骨造の渡り廊下で接続され、相互に地震の影響を及ぼさないエキスパンション・ジョイントにより繋がっている
既存校舎解体後に残る約7.2mの敷地高低差は、新設する鉄筋コンクリート造の壁により土留めを行い、その壁は地中で通所棟と一体になり、建物全体で土圧を負担する構造である
特養棟は、おおよそ31.40mx46.08mの長方形で、建物中央付近に2ヶ所の吹抜けを有し建物外周にバルコニーがグルット廻った、ほぼ上下左右対称の平面形状を成し、
通所棟は、おおよそ12.00mx36.00mの長方形が中央で60°に折れ曲がった「く」の字の平面形状に鉄骨鋼板造のピロティー庇が取り付いた平面計画である
各棟ともX・Y両方向共にルート3の計算ルートを適用し、許容応力度及び層間変形角1/200以下の確認をすると共に、剛性率0.6以上、偏心率0.15以下を目指し、保有水平耐力計算を行い安全性の確認を行った
主柱は建築構造用冷間ロール成形角型鋼管(BCR295)を用い、柱-梁の接合部は通しダイアフラム形式とし、ダイアフラムにはSN490C材
柱脚は国土交通大臣認定を取得した露出型固定柱脚工法を採用する
大梁はSN400B材およびSN490B、小梁は溶接を有するものはSN400B材、その他はSS400材のH型鋼を採用し、現場接合部は高力ボルト接合とする
各棟・各階の床版はデッキプレート+普通コンクリートの合成床版で、デッキプレート端部を鉄骨フランジへ焼抜き栓溶接にて接合し剛床性を確保している
基礎は敷地内で行われた地盤調査結果に基づき、G.L-13.8m以深の良好な細砂層又はGL-13.9m以深の良好な砂礫層を支持地盤とする認定工法の杭基礎
杭工法既製杭(PRC杭+PHC杭+節付PHC杭)のプレボーリング拡大根固め工法(高支持力工法)を採用した